理事長・会長ご挨拶
理事長ご挨拶

去る令和7年3月14日の興生会社員総会に併せて開催された理事会において理事長を拝命し、重責に身の引き締まる思いですが、就任にあたり挨拶申し上げます。
まずはじめに、前理事長の杉田多喜男先生には、理事長在任30年以上にわたる長い期間において、興生会発展に尽くしてこられたことに尊敬と敬意を表します。
介護老人保健施設や精神障害者支援施設の開設、精神科救急拠点としての病院運営、社会医療法人の認可など、その功績は多大です。精神医療および社会福祉への貢献を継続してきた結果が、現在の興生会を築いたことに誰も異論はないでしょう。杉田多喜男先生、長い間本当にお疲れさまでした。
さて、ここで昨今の医療・介護・福祉業界の置かれた状況を顧みます。国民皆保険制度の下に安心して充実した医療を享受することができて、それに応じる医療機関は安定した経営ができた時代はもはや過去です。信用調査会社帝国データバンクによると、令和6年度の全国における医療機関の倒産・休廃業・解散は過去最多を更新しています。興生会がそういった危機的状況にあるわけではないですが、対岸の火事として見て見ぬふりをしていられる状況ではなくなってきています。経営・運営に関わる者はこの世知辛い世情から何かを察しなければなりません。そして火事に巻き込まれぬよう舵をとっていかねばなりません。現場の皆さんが目の前の仕事と真摯に向き合い、それに見合った対価を得られる場であることを担保していかねばなりません。その重責たるや、「身が引き締まる思い」という表現では足りないほどに痛感しております。
働く世代が潤沢で日本が高度経済成長を続けた古き良き時代は過ぎ去り、組織の一員として迷いを抱くことなく働き続けることで報われてきた状況も昔話となりました。ライフスタイルや価値観の多様性から、組織よりも個人を尊重する意識が高まった今の時代において、求心力の乏しい組織はたちまち深刻な人手不足に陥り、衰退していくでしょう。当興生会は、精神医療、介護・福祉、障害者支援の地域における最大の担い手であり、それ故に社会医療法人として認定されています。この点は当法人にとって大きな求心力でありますが、それに胡坐をかくことなく、より質の高い医療・サービス提供を目指して組織を前進させていかなければ、行先を見失ってしまうでしょう。また、私達の社会活動は地域にとっても不可欠であり、少々旗色が悪くなったからといって投げ出せるような無責任な仕事ではありません。私達はより良い方向に歩みを続けなければならないのです。
課せられた命題はどれも重大で簡単な内容ではありません。まだまだ若輩と自負しており、どれほどの精進を重ねれば足りるのかも見当がつきません。おそらく一生をかけて学ぶのだろうと覚悟はしております。これからも皆様の変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
令和7年4月吉日
社会医療法人興生会
横手興生病院
理事長・院長 安部 俊一郎
会長ご挨拶

私は昭和46年3月に慈恵医大を卒業し、昭和53年より当院で副院長として勤務を始めました。
当時の興生病院の状況は、436病床でしたが医師不足が際立っており、創業者である父親の他、精神科の常勤医は一人のみで、数名の非常勤医師の交代勤務と開院して高齢となった他科医師にも常勤医となって頂き、何とかやり繰りしておりました。看護師も少なく准看護師の養成所が当院の真向かいに有ったことから、働きながら准看の資格を取得するのが一般的でした。
平成元年、創業者の父(杉田孝)が75歳で脳出血に倒れ、平成3年9月に当時45歳の私が理事長、院長に就任することになりました。看護職員の増員をはかりつつ、当初の目標として病床の減少を図りながら急性期に対応できる上位の看護基準を目指しました。医師数を確保し続けることも容易ではありませんでしたが、何とか平成12年に秋田県精神科救急システムにおける県南の常時拠点病院に指定され、平成21年4月に社会医療法人の認定に繋がることとなりました。
昭和62年に施行された精神保健福祉法に始まり、平成5年12月に「障害者基本法」の公布により、精神障害者も「障害者」として法的に位置づけられ、平成7年の「精神保健福祉法」の成立を受けて、障害者の人権擁護、社会復帰の促進が進んで行く中で、医療モデルに偏らない、社会モデルが重視されてきました。当院でも精神科病院の機能分化と地域移行、地域定着を目標に、平成7年から援護寮(生活訓練施設)、グループホーム(地域生活援助事業)を増設し、平成12年には通所授産施設(現在の就労移行支援施設、就労支援施設)を開設してきました。また、同じく平成7年に介護老人保健施設「やすらぎの苑」も開設し、「精神科医療」「社会復帰事業」「介護老人保健施設」を当法人の三本柱として、今日に至っております。
その私も現在79歳を過ぎ、当法人の勤務歴も46年、理事長職として34年が経過しました。体力の衰えと共に集中力の衰えを痛感するようになり、令和2年10月より安部俊一郎先生に院長就任の上で私を支えてきてもらいました。この間、安部先生の見識と力量を目の当たりにし、本年4月1日付けで私の興生会の理事長退職と交代に安部先生に新理事長就任の意向を伝え、過日3月14日開催の社員総会、理事会において、皆様に安部先生の理事長就任の議案を諮り賛同をいただきました。
今後、安部理事長・院長をリーダーとする社会医療法人興生会がこれまで以上に地域で重要な役割を担いながら、新たな課題や目標に向かい職員一丸となって活動を続けてくれることを期待する次第です。
令和7年4月吉日
社会医療法人興生会
名誉会長 杉田 多喜男
会長受賞歴
令和元年秋の叙勲 瑞宝小綬章
令和元年11月3日
功績概要

秋田県、特に県南の基幹精神科病院としての役割を果たすため、精神科救急医療の充実・発展に努め、秋田県精神救急医療圏県南地域拠点病院、さらには、平成21年4月に精神科救急を要件とする社会医療法人の認定を受け、精神障害者の緊急かつ適切な医療の確保に尽力した。
介護老人保健施設事業者 厚生労働大臣表彰
平成27年9月3日
功績概要

本表彰は、長年にわたり介護老人保健施設関係事業の発展向上に貢献し、老人保健福祉行政の推進に顕著な功績があった者に対して、厚生労働大臣がその功績をたたえ、その功労に報いるとともに老人保健福祉行政の推進の寄与することを目的とする。
「アジア太平洋障害者の十年(2003年~2012年)」最終年記念 障害者関係功労者 内閣総理大臣表彰
平成24年12月3日
功績概要

医師として長年にわたり地域精神医療と精神障害者の社会復帰等に尽力。社会復帰施設の開設に貢献。また、関係団体等の役員、県精神障害者スポーツ推進協議会理事長として特にスポーツでも貢献した。さらに地域住民への啓発普及にも尽力した。
精神保健福祉功労者 厚生労働大臣表彰
平成12年11月9日
功績概要

秋田県知事、日本精神保健福祉連盟会長の推薦のもと、地域の精神保健福祉並びに精神障害者の医療と社会復帰に尽力したことによる功績。